ヤスマサ

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊のヤスマサのレビュー・感想・評価

3.8
アガサ・クリスティー原作で、ケネス・ブラナーが監督・主演を務めた「名探偵ポアロ」シリーズの3作目。
第2次世界大戦後のベネチアで、探偵業を引退したエルキュール・ポアロが、参加した降霊会で起こる様々な超常現象と殺人事件の謎に挑むサスペンス。

引退したとはいえ、降霊会でのトリックを一瞬で見破ってしまうほど、ポアロの洞察力は衰えていない。
とはいえ、その夜に起こる殺人事件を境に状況は一変し、オカルト性が帯びてくる。
館の主人や館自体の背景や環境が、ポワロの事件への考察や真相への推理を鈍らせる。
一夜の出来事ということで、全体的に画が暗く、ポワロの頭の中の混沌さと重なって見える。
意外性のある展開を見せ、翌朝には事件を解決に導くが、個人的には、前2作よりも後味が悪く感じた。
それでも、まだシリーズが続くのではないかと思わせるエンディングに、今作を上回る次作を期待したい。
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