からかす

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊のからかすのレビュー・感想・評価

3.5
ケネスブラナー演じるポアロシリーズの3作目。
前2作「オリエンタル急行殺人事件」「ナイル殺人事件」と
比べるといわゆる"ゴージャス感"みたいなものは
少ない作りなんだけど個人的には割と好み。

本作も含め3作ともクローズドサークルの
推理小説であり本来お話としてはこじんまりとしているのに
前2作が映画的なダイナミズムなのか
ゴージャス感全面に作られていたのに対し
本作はとっても地味。
古びた洋館の中で次々起こる連続殺人に
フーダニットでポアロが解きあかすという
これがミステリーだあと恍惚としてしまう。

カメラ演出も独特で
一般に水平なカメラが極端な傾斜でカットして
全体的に不穏感・異質感を強めに喚起しているし
極端などアップでポアロだけを写して
ポアロの苦悩・孤独感を表していて
なかなか上手いなあと感じる所。

原作からはわりと設定変更されているとこもありつつ
(これを日テレで実写化したらヤバかったかも)
なにより古典文学・過去の名作を
今の映像技術でリブートするってすごくいい取り組みだと
思っているので。
今新たにアガサクリスティ観たいと思っても
70~80年代の映画をオススメするのはなかなかハードル高いので
やっぱりこのシリーズは続けていってほしいなあと思うばかり。
できれば実写化のハードルはめちゃ高いものの
個人的に一番好きな「アクロイド殺し」をなんとか…
からかす

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