つるもも

普通の人びと:彼らを駆り立てる狂気のつるもものレビュー・感想・評価

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虐殺の実際的な部分を担った人のあるあるの証言
「ユダヤ人を人間とは思ってなかった」
っていうフレーズ、
これって言葉の悪いところが出ちゃってる、すばり言い得て妙に思えるが実際にはスカスカな、もっと悪くいうと隠れ蓑的な表現なんじゃないかとずっと思ってて、
実際にはバリバリ人間だと思ってやってたんじゃないか、だってトラウマになってるじゃん、というのが割と積年の疑問だったのだが、
これ見て全員バリバリに人間だと思って殺してたんだということがよくわかり、喉に刺さった骨が抜けた感ありました。しかし喉は依然モヤついている。

この作中でもやはりあのお決まりのフレーズが登場してまたかーとなるのだが、やった側が自分をギリギリのところで守るための言葉として超絶フィット感があるのかも
もうこの言葉なしでは生きていけないのかも

とすると、どこまで行っても人間は自分が可愛いのだという真実を提示してくれてるという意味で、この上なくミチミチの、優れた暗喩表現かもしれないね!
つるもも

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