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地上の詩のwildcatsのレビュー・感想・評価

地上の詩(2023年製作の映画)
4.0
こういう作品こそ映画祭らしい、味わい深いチョイス。ありがとうございます。

現代のイラン社会への問いかけ。
外国人風の名前を拒否する出生届の担当者、女子生徒の異性との交友を咎める教師、タトゥーがある人に運転免許証を発行したくない担当者、就職の面接でセクハラパワハラ炸裂の面接官、若い女性に髪型やヒジャブの被り方について指摘する警察官など…現代も超保守的なイランの日常を批判的に描いた良作。監督はカンヌでこの作品を上映して帰国後、出国禁止になったそう。
オープニングシーンはテヘランの夜景で、高いビルが密集した現代的で都会的な光景。
ラストシーンでは高層ビル上層階のキレイなオフィスで静かに座る老年の男性、地震が起きて高い建物は次々に倒壊していくシーンで終わった。彼はいわゆる老害と言われる存在だと思われる。企業だって国だって、適切に若い世代に交代してブラッシュアップしていくべきではないでしょうか。見かけだけ変わっても意味がない。そのような教訓を感じた。

166/2023
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