いて座

BAD LANDS バッド・ランズのいて座のネタバレレビュー・内容・結末

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

上映前の舞台挨拶でメインテーマが流れる中で安藤サクラと山田涼介と原田監督が登壇して、これから始まるっていうのに悲壮感というか哀愁が溢れる感じだったの笑っちゃった。
関西といえば陽気なイメージがあるけど流れてる曲がどれもそのイメージと相反してて、ワルツみたいな曲もあったからなんか外国っぽかったな。

だいたい1週間の話で、「○曜日」って時間経過を表してくれるから時間の流れは分かりやすいけど見終わってよく考えたらとても濃い1週間だなって思う。作品の時間143分もあったのになんか忙しない感じがして長く感じなかった。
ネリが最後に月曜日の巫女に扮して逃げてて、警察も来てバタついてるこのタイミングで?と思ったけどその警察の1人の「もう火曜日だよ(ニュアンス)」ってセリフがあってからの夜が明けて変装を解きながら無我夢中で走ってるところで終わってるの良かったな。2回くらいネリとすれ違ってたけど月曜日の巫女の存在がこんな形になるとは。

関西に3年以上住んでて見慣れた街並みとかもあったけど何より言葉があまり聞き取れなくて、聞いたあと遅れて理解するみたいなのが続いたから字幕欲しいなって思っちゃった。

曼荼羅の「電池切れ」とか射撃が上手い女の刑事さんの「オリンピック出ます」とかところどころで印象的なセリフがあって面白いし、父親である高城がネリの誕生日を記念日だと言っていたのが印象に残っていたら暗証番号もネリの誕生日にしてて、親子の関係性はあれだったかもしれないけどそこだけは愛を感じた。とても良かった。

ネリの左耳が聞こえない理由がなんかで東京いた頃に殴られたからって説明があってからの東京パートで仮想通貨の社長とかその秘書たちが出てきて、最終的にはジョーが敵討ちで殺したから関係性はできたけどそこにいくまでの流れでは何を見せられてるんだろう感が否めなかった。とりあえず社長が暴力クズ野郎なのと秘書のその部下の女の子がまじで美人すぎたし上司との百合まで挟んでくるから情報過多ですわ。

舞台挨拶の山田涼介はサラストだったけど作中のジョーはくるくるした髪でめちゃくちゃかっこよかった。他の人の感想で「ティモシー・シャラメみたい」とか「女が沼る男」とかあってそれら全て分かりみが深い。
性格を一言で表すの難しいけどいろんな面を持ってて面白いキャラクターだったな。「燃えよ剣」を見たことがないからシークレットゲストの岡田准一とのシーンはあまりピント来なかったけど、インパクトはあったからなんかあっという間に感じて気づいたらお互い和解して逃げてた。そしてそれで終わりなんだってね。
胡屋を殺して仇討ちするシーンで、警備がゆるゆるすぎだしジョーが秘書たちの横を通ってて不信感満載なのにスルーしてたのはツッコミポイントだわ。人を殺す度胸はあるけど逃げきれなくて射殺される最後なのはジョーっぽいなって思いつつ、ニュースでジョーの訃報を聞いてからの平仮名で書かれた手紙はやばい。履歴書かなんかを書くシーンで平仮名しか書けないって言ってたのをここで回収するもんだから伏線回収が半端なく多いね。

舞台挨拶は上映前だからキャストや監督はネタバレに気をつけてお話してくれたけど、質問した人の中にはすでに見ている人もいて「○○のオマージュだと思うんですけど」とか名前は伏せてたけどシークレットゲストのこととか聞いていて、なんかそれがもうネタバレすぎてちょっと萎えたけど見たら見たで面白かったからまあいいや。
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