MitsuhiroTani

BAD LANDS バッド・ランズのMitsuhiroTaniのレビュー・感想・評価

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)
4.1
原田監督の、ピカレスク的匂いを放つ展開には魅力を感じたが、主人公二人の下手な大阪弁が関西“風”を生み、生粋の大阪人としては微妙に耳につく二時間半となった。京都伏見の宇崎竜童、兵庫宝塚の生瀬勝久、和歌山田辺の天童よしみ、そして兵庫西宮ね江口のりこ。大阪西成を舞台にしながら、大阪人がいない。
西成 釜ヶ崎は全国から訳アリが集まる場所だから、生粋の大阪人はいなくてもいいんだが、やっぱりイントネーションに違和感は避けられない。
そして、遠巻きから坂田佳子をチラッと見せる演出はいらない。彼女のファンとしては、舞台演出の道具にされたのも不満だった。無理せず舞台を東京にすべきだったろう。
とはいえ、主人公は安藤さくら。カメラの回っている状況で、見せる歩き方、階段の駆け上がり方、走り方。全てが魅力。
いつもの複雑な心象を見せる演技は無かったが、彼女の身体性が放つ魅力を堪能できる作品だった。
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