IT坊や

BAD LANDS バッド・ランズのIT坊やのネタバレレビュー・内容・結末

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

暴力サスペンス。
ふだん邦画はあまり観ないのですが、これはけっこう楽しかった!!

映画というより、クライム小説を読んでいる感覚に近い面白さだったのですが、「勁草」という原作があるんですね。
「月曜の巫女」のオチとか、作者は違うんだけど、なんか伊坂みを感じる。

まず、キャラクターが良いですね!
イカれてるのに後半格好良すぎるマンダラ、底が知れない高城、悪魔の体現者のようなゴヤ(画家の作品イメージと掛けてる?)、不健全な雰囲気の秘書達、熱血漢な刑事等々。
端役もしっかりキャラが立ってて、これだけ人数がいるのに印象に残るのが凄い。
(岡田くん、案の定強そうすぎて笑った)

そして、なんと言ってもネリとジョー。
くだけた雰囲気に、学や気品さえ持ち合わせつつ、確かな強さで生き抜くネリ。粋がってばかりで実力がないのに、頭のネジが外れているジョー。

対照的なきょうだいだし、ジョーはネリの足をひっぱってばかりだし。普通なら、イライラさせられるキャラなんだけど…。

「親殺し」という異常な絆、まさにrotten edgeで固く結ばれている2人の関係は、すごく魅力的に映りました。
山田くん、好青年じゃないキャラもいけるんだな…。ちょっと舐めてました。安藤サクラも安定してめっちゃ良いです。

ストーリーは、やや駆け足の感はあるものの
詐欺での警察との攻防→ジョーの暗殺失敗→高木の死→金を引き出すタイムリミット→ゴヤ暗殺等々、緊張感のある展開が続き、最後まで飽きずに楽しめます。

また、関西弁の暴力描写が良いですね!
現実だと最悪だけど、映画で観る分には掛け合いのテンポが心地よくて、爽快感すらある。暴力の躊躇のなさもスカッとします。
(ちょいちょい挟まる小ボケとツッコミにも笑わせて貰えたし)

以上、かなり楽しめました!
ただ、あえて苦言を呈すなら、設定がやや複雑なためか、セリフの聞き取りが難しいと感じます。

「三塁コーチ」とか「マンダラ」とか、初見じゃ何言ってるか分かんないし、テンポの良いやり取りも、聴き取りの難しさに拍車を掛けている感があります。劇場で字幕なしで観ると、ちょっと辛かったんじゃないかな?
ぼくはネトフリ字幕付きで観たので、モーマンタイでしたが。

もっと日本のサスペンスも観てみよう!意外と良作多いのかもな〜!
IT坊や

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