みむさん

The Goldman Case/ゴールドマン裁判のみむさんのレビュー・感想・評価

4.0
すごく面白かった。法廷劇は面白いものが多いけど。

セドリック・カーン監督作、現時点で鑑賞済のものは全部よかった。

1976 年の極左活動家で犯罪者のピエール・ゴールドマンの裁判。ほんとに法廷内だけで進むドラマ。
アリエ・ワルトアルテの醸し出す圧がすごい。
密室劇、異様な緊張感、実際の判決を知らなければ予想がつきにくい判決、ライブ感。ずっと気が抜けない。

ピエール・ゴールドマンのことは知らなかったが、映画を観る限りかなり濃いキャラクター。
弁護人はいらない、過去の言動や思考などは関係ないという彼なりの理論もわかるが、めちゃくちゃ挑発的だし、弁が立つと思いきや矛盾したことや端から見たらおかしな信念を貫くし、これは弁護人は相当手こずる。ああ言えばこう言う。次から次へと反論する。
あんなケンカ腰では印象最悪だし判決は彼に不利に働くと思うじゃん……
弁護士も必死。

でもある意味カリスマ性が傍聴席を盛り上げる。完全に被告人ゴールドマン側のホーム状態になっていた。

肝心の証言や証拠はどうなのかはもちろん、差別、反ユダヤや機能しない警察など、社会の暗部も見えてくる。法秩序と混乱と陰謀。

とても面白かった。

実際の裁判記録見てみたくなるね。