三樹夫

ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦 フリーザに挑んだZ戦士孫悟空の父の三樹夫のレビュー・感想・評価

3.0
ドラゴンボールのTVSPで東映が作った原作エピソードなしのオリジナルだが、その後原作にも採用されバーダックは漫画にも数コマ登場する。一族が滅びる様を見て苦しめというのでカナッサ星人に未来が見える力を植え付けられ、フリーザがサイヤ人を亡ぼす未来を見るも誰も味方はなく一人でフリーザに挑んだ悟空の父バーダックの話。『デッドゾーン』が元ネタかと思われる。
誰にも信じてもらえないというのも実際にドドリアチームに攻撃されて仲間か殺されてるんだしなんとかなるんじゃないのとか、バーダックがカッコよく描かれてるけどカナッサ星人滅ぼした虐殺者でフリーザと一緒とか、地球に悟空が来てここからドラゴンボールが始まるという前日譚みたいなまとめになってるけど、悟空って頭うつまでは気性が荒いって設定だったけど孫悟飯にいきなり懐いてたとか、悟空は結構ラスボス倒すけどそういう輝かしい未来は見ないのかみたいな細かいことを言うのは野暮なんだろう。絶対に勝てないと分かっていながらも、たとえ一人だろうとフリーザに挑むバーダックがカッコいいなという所に集中して観る話だ。

ドラゴンボールは声優が全員叫びまくっているのが良くて、特に野沢雅子の声量は凄い。Z開始時点で余裕で50歳を超えているのにスカウターが壊れんばかりの声で叫んでおり本当に凄い。技名の叫び方もカッコいいし。Z版の「クリリンのことか───────っ!!!!!」は叫び具合といい怒りのこもった表現力といい声優史に残るベスト演技だったと思う。この話でも叫びまくっている上に、一人二役をあっさりこなしていると(悟空と悟飯で一人二役自体は既にやってはいるが)、さすがすぎる。
ドラゴンボールはというか東映は作画枚数が少ないので声優の演技に支えられている部分が大きい。たまに本気を出して凄いアクションを見せてくれるが、眠れる獅子みたいなところがある。このエピソードは画は崩れなくてむしろ一枚画の綺麗さはかなり良い方だが、明らかに作画枚数は少ない。回想で無印時代のものを何度か見せるなど作画節約に走っている。
ドラゴンボールはBGMも良くて耳に残る。ここではかからないが、戦闘シーンでよく流れるM811なんかは聴けば誰かがタコ殴りしてる画が頭に浮かぶだろう。このエピソードの特徴としては「ソリッドステート・スカウター」がかかることだ。分かりやすいぐらいYMOの「SOLID STATE SURVIVOR」と「TECHNOPOLIS」だけど。
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