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ビーニー・バブルのEDDIEのレビュー・感想・評価

ビーニー・バブル(2023年製作の映画)
3.9
1980〜90年代に大成功を収めたぬいぐるみ会社。バブル前後の栄光と失墜。
成功の功労者は誰?
独占欲は全てを壊す。常に感謝の気持ちと対価を示すことが大事。
クソな会社や上司と働く全ての頑張る人に贈る反面教師な映画。ざまぁみろ!

1990年代に一大ブームを引き起こしたビーニーベイビーズの生みの親、タイ・ワーナーを主人公にした実話に基づく物語。
冒頭に「実話以外のところは作り話」と出るだけに、どこからどこまでが本当のことかはわかりませんが、この作品に登場するメインの4人の末路は実話なのでしょう。

タイが主役とは言え、どちらかというと彼は経営者としての失敗の烙印を押されたような描き方をされており、実質的な主役は他の3人の女性と言えるでしょう。
タイ社をタイと共に立ち上げたロビー、タイの恋人でありデザインの立役者シーラ、そしてタイ社の成功には欠かせなかったマーケティング担当のマヤです。

とにかく彼女たちがどれだけタイ社の成功に貢献してきたかが丁寧に描かれており、一方でタイがどれだけ独占欲が強く自己中心的だったかが描かれています。
だからこその反面教師的な作品。
一度の成功を収めても、ボタンのかけ違いがあれば一気に底辺まで堕ちてしまうということでしょう。
僕もあんな独裁者のもとでは働きたくありません。

めちゃくちゃ自分好みのビジネス物語だったんですが、惜しむらくは時系列をバラバラにして描いた構成。
編集の仕方は見事なのに、そのパズルの掛け合わせ方を間違えてしまっているかに思えました。
だから内容を咀嚼しづらくて、イマイチ理解が追いつかない部分があります。
時系列順にしたらしたでこれまたどこにでもあるビジネス映画になって、彼女たちのある意味下剋上的見せ方や発散的な見せ方ができなくてそれはそれで難しい気はしますが。
だからもっと情報をうまく整理して構成してほしかったなというのが本心。つまりは脚本の問題なのかなぁ。好きな内容だけに「惜しい!」と感じて4.0点超え付けられませんでした。

ただAppleTV+らしい綺麗な映像は相変わらずですし、オープニングのシーンは2023年の映画の中でもトップクラスに入るぐらい印象的でした。

〈キャスト〉
タイ・ワーナー(ザック・ガリフィナーキス)
ロビー(エリザベス・バンクス)
シーラ(サラ・スヌーク)
マヤ(ジェラルディン・ビスワナサン)
ローズ(トレイシー・ボナー)
ジェレミー(カール・クレモンズ=ホプキンス)
アルジュン・クマール(ハリー・ディロン)
デシャド(アジャイ・フリーセ)
ビリー(カート・イエーガー)

※2023年新作映画114本目
※2023年自宅鑑賞120本目
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