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コンサート・フォー・ジョージのmimagordonのレビュー・感想・評価

4.0
ジョージの命日にDolby Atmosで鑑賞。感無量。

先に興ざめたことは言ってしまおう。スコアは映画としての点。以前CS放送で観たことがあるからかもしれないが、再上映するなら2022年のクオリティでリエディットしてほしかった。カメラのブレやカットの多さ、インタビューのタイミングなど「そのまんま」なのがちょっと残念。

内容は文句無しの10.0だ。ジョージ・ハリスンという人間がいかに愛されたかが伝わってくる。レジェンドがところ狭しとステージに並びジョージの曲を演奏する、その姿に悲壮感のようなものは一切なく、むしろ多幸感さえ感じる。ジョージの音楽がもつユーフォリア。ステージの上に掲げられたジョージの写真が、彼らを見守っているように見える。時々、エリック・クラプトンが言うように、シニカルなジョークを飛ばしてたのかな、なんて想像する。そしてやはりリンゴ・スターとポール・マッカートニーが出てきてからの熱気がすごい。終盤に向けてステージと会場の一体感がさらに強まり、ジョージの人生と音楽を祝福する明るさに満ちた空間。時代とスクリーンを超えて伝わってくるジョージへの愛。それはジョージが今も愛されているからに他ならない。ラヴィ・シャンカールによる暖かいメッセージと楽曲も素晴らしい。ジョージとは本当に相思相愛の関係だったのだろう。そしてステージ上のミュージシャンみんなが、もちろん天から見下ろすジョージを含め、ダニーを見守り愛していることも伝わってくる。クラプトンやマッカートニーが時折見せる気づかいに観ている方も暖かくなる。この一夜のパフォーマンスに、ジョージ・ハリスンという人間の偉大さが克明に刻まれている。スクリーンから出たあと、こんなに幸せな映画体験初めてだな、と思った次第だ。
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