おざわさん

サラウンデッドのおざわさんのレビュー・感想・評価

サラウンデッド(2023年製作の映画)
3.6
南北戦争後、開拓時代が終わろうとしている頃、黒人兵士として戦ったモー・ワシントンはそれによって自由を勝ち取り、金の採掘権を手にコロラドへ向かおうとする。
ところがその駅馬車が賊に襲われる。

襲ったのは銀行強盗犯として、一万ドルの賞金のかかったトミーとその仲間たち。
御者と客の婦人は命を落としたものの、モーたちによってトミーは取り押さえられる。怪我をした1人を町に連れて行きつつ、保安官を連れてくるまで見張るようモーとトミーが残されて、帰りを待つまでのストーリー。

実はモーは女であることを隠し、身分を偽って従軍していたが、トミーは彼女の事情に気づいて仲間に引き入れようとする。

互いの置かれた環境や事情に心が揺れる様子がとてもよく演じられていて、モーが途中現れる賞金稼ぎに騙されるかと思えば、逆にやり返す辺りにも、彼女がどれほど辛い思いをして従軍していたのかを想像させます。
それほど苦労して手にした金鉱の採掘権は雨に流れて消え、全てを失って打ちひしがれたモーは、トミーの仲間が再びやって来たことで最後の闘いに奮い立ちます。

ほぼ2人劇のようなストーリーは2人の心の動きを感じられて、とても面白く感じました。