パンデミックの影響で久しぶりに顔を合わせるダニエル&エレナとギレルモ&スサナの２組のカップル。
都市部を離れ田舎へ引っ越すギレルモ&スサナは、家に遊びに来てほしい旨と妊娠を告げる。半年後、電車を乗り継ぎ、彼らを訪ねるダニエル&エレナが少し憂鬱そうなのは、2人の公私があまり上手くいってないからか、コロナ禍による疲れからかはわからない。
そこからは、食事をしながらの少し小難しいけど芯を食わないお喋りと野原を散歩。最後には映画のフレームを壊して終幕という不思議なふわりとした感触を残していった。
恐らく、コロナ禍での妊娠や引っ越し、または仕事やパートナーとの停滞という不安に対して、両カップルが互いを通して平穏や正しさを確認したかったのかと思える。
そこに理論武装や階級差が絡んで、少々の醜悪さを見せながら、スポーツで打ち解け、余計な思念は自然の中に霧散していったという物語かと。
当初は閉塞感ある狭い室内での切り返し多用のカメラが、ワンフレームに納めた卓球や屋外での手持ちへと自由な動きを見せていく過程が良かった。
