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絞殺魔のクリームのレビュー・感想・評価

絞殺魔(1968年製作の映画)
3.8
分割した映像(スプリットスクリーンと言うらしい)が珍しく面白かったです。実話ベースなので若干単調だけど、カメラワーク等や演出でカバーしていて、私は楽しめました。
ボストン絞殺魔事件を元にした映画。 1962年からボストン市内で連続殺人事件が発生。約1年半の間、75歳から19歳の計13人の女性が異常な暴行を受けて殺害された事件の捜査から逮捕、取り調べまでを描いています。



ネタバレ↓



最初は年配の女性5名、その後、若い女性ばかり5名が絞殺しれました。異常者リストを片っ端から調べ、透視能力者まで参加させるも捜査は難航。一方、犯人らしいアルバート·デサルボのアパートでは、彼が妻や子供達とTVを見ている。普通の男に見えるが、やがて彼は車で外出し、今度は2人の女性を絞殺した。その後ある女の後をつけまわし、パトロール警官にあっさりと捕まった。デサルボは多重人格者で、犯行時の人格についての記憶が無かった。彼は精神分裂症患者であると診断され、殺人犯としては起訴されなかった。彼の罪名は家宅侵入と婦女暴行罪だった。終盤、取調室の鏡で、もう1人の自分を見つめるデサルボ。自分の別人格を覗いているかの様な演出が良かった。ラストも白い取調室の角に立つデサルボを映して終わる。このカメラワークも良かった。印象に残ります。
デサルボの父はDV男で、売春婦との性行為を見るよう強要したり、デサルボと姉妹を農家へ売り飛ばしたりするクズ。 逃げ帰った彼は父から窃盗や家宅侵入を教えられ実行し、10歳の時には同性愛者を相手に売春もしていた。中々、気の毒な生い立ちではあった。
デサルボは 絞殺魔として、殺人犯にはならなかったが、後にグリーンマンと同一人物だと判明し、グリーンマンとして終身刑となり、独房で6度刺され殺害された。
※グリーンマンは、ダークグリーンの作業服を着ていた事からそう呼ばれた。レイプ容疑は300件を超えている。
最後まで退屈せずに観賞出来る演出はさすがでした。良い作品だと思います。
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