ああおうえい

絞殺魔のああおうえいのネタバレレビュー・内容・結末

絞殺魔(1968年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

絞殺魔

傑作だった。この映画は実話をベースにしているが実話映画系にありがちな事実をなぞっただけで突き抜けた面白さがないということがない。そのゆえんは何といっても語り口の巧さだろう。スプレッドスクリーンを効果的に使っていると聞いてはいたがここまでとは思わなかった。序盤の最初の目だけや手だけを映し出したスプレッドはまるで絞殺魔から覗かれているようでぞくぞくしたし、動作や人々の目線を羅列していくことでテンポ感を生み出しているのが素晴らしい。後半いきなりモノローグで一人の平凡な男に焦点を絞り始めると「あ、こいつが犯人だ」と確信がついていなくても思ってしまうし、犯人は誰なのかから犯人はどういった犯行なのかという視点にシフトチェンジしてかわされるところが巧い。このまま犯人は逃げてしまうのか、妻を殺してしまうのかなどいちいちどちらに舵を切るのかわからない面白さがあった。そして最後には痺れた。
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