HiromiA

邯鄲の夢 三重芝居と四人の役者のHiromiAのレビュー・感想・評価

3.3
結末を思い出せない。娯楽のない時代、交通手段がまだ発達しておらずテレビなどの媒体が広くいきわたっていなかった時代、大衆演劇は各地で栄華を極めたのでしょうが、今の時代大衆演劇を存続させていくには歌舞伎と同様に大都会での常設小屋以外には難しいのではないでしょうか。伝統的な演目を時代に合わせて変化させたり、社会情勢に合わせた新演目を作ったり。落語や漫才が形態を変えて生き残っていることを思えばまだまだ可能かもしれないけど、かつてのようにどさ回りで稼ぐことはもう難しいのかもしれない。その継承はさらに難しいかもしれない。このエピソードはそんな大衆演劇の断末魔なのかもしれないし存続をかけた博打だったのかもしれない。この作品で大衆演劇に興味を持ち舞台に足を運んでくれる人が出ればまあ成功なんでしょうね。映画の中でどれが現実でどれが虚構の世界なのかようわからんかったが、脚本を書く冴之介の両目とも綺麗だったし片目の視力をなくしている感じはしなかったことを考えると、冴之介が目を突かれて役者を廃業したのは劇中だけのことだったのかな。とすると冴之介はなぜ役者として劇団に戻らなかったのかなあ。
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