コマミー

イビルアイのコマミーのレビュー・感想・評価

イビルアイ(2022年製作の映画)
3.8
【村とお婆ちゃんの秘密】



※Filmarksさんのオンライン試写会での鑑賞





2014年の「パラドクス」、翌年の「ダークレイン」と続け様に映画祭などで高い評価を受けたメキシコが生んだ新たなホラーの鬼才"アイザック・エスバン"の新作だ。

メキシコには数々の"都市伝説"があるが、中でも"魔女伝説"は特に有名で、真意は分からないが、実際にいわゆる「魔女の仕業」による事件が数多く目撃されているようだ。
そんなメキシコで1番有名な言い伝えにアイザック監督は目を付けたのだ。

"病弱な妹"の為に、母の田舎である"ラスアニマス"と言う村にある祖母の実家に無理矢理行かせられた13歳の"ナラ"。そこには年老いた"祖母"が1人で住んでおり、両親はナラと妹を祖母に預ける。
ナラはそんな両親にイライラしながらも、妹と、時に祖母の世話などをしている村の人達と交流しながら暮らすが、祖母の"不可解な行動や言動"が目立つようになり、不審に思ったナラは祖母について、そしてこの"村で起こった事"について調べ始める。

そしてナラは、徐々に"衝撃的な事実"を知る事に…。

好評価を受けた初期2作に比べると、"映像技術"が格段に上がってた事に驚いた。初期作だから多少の映像の粗さがあって当然だが、気になってはいた事なので、これは監督作として進歩だなと感じた。

そして、伏線回収は相変わらずとても丁寧である。村の魔女伝説から"ある姉妹"の話からの後半の畳みかけ…正直な所途中グダる場面もあったのだが、私はそれすらも後半の種明かしの為の戦略だとも感じている。
低予算ならではの工夫がちゃんとなされている所だなと思った。
お婆ちゃんの"ルックス"は、序盤から衝撃を覚えた。もう普通じゃない事を示しており、彼女の言動共々、観ている我々に畏怖を感じさせる。

やはりメキシコやスペインと言う国は、オカルト的でドラマチックなホラーを作り出すのが上手い。
このアイザック・エスバン監督も発想の転換がとても面白い監督で、この「イビルアイ」も全体的に静かながらも、後半から盛り上げるのが上手い作品だなと感じた。
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