りょう

イビルアイのりょうのレビュー・感想・評価

イビルアイ(2022年製作の映画)
3.0
 アイザック・エスバン監督の作品は初めてでしたが、不気味なポスタービジュアルに興味があって観ました。メキシコのホラーですが、ほとんど欧米の作風と遜色ありません。
 プロローグやおとぎ話の3姉妹の物語と現代の3世代の家族をめぐる顛末は、とてもわかりやすい展開でした。ホセファとレベッカが母娘の年齢差とは思えないほどの容姿だったり、そのホセファが少しずつ若返っているように感じられる描写(顔面の包帯とか)は、何も説明されないままですが、終盤に伏線が回収される構造になっています。
 その顛末は、昔の写真で判明する真相とか、ミステリーの要素として面白いと思いましたが、魔女とか黒魔術などの知識に乏しく、彼女たちの行動原理をよく理解できないままでした。“バッカ”の存在とそれが意味するものも本筋の物語とうまく結びつけられません。
 主人公である長女のナラが13歳という設定のようですが、子どもの躰に30歳くらいの顔立ちが妙にアンバランスでした。恐怖に直面したときのリアクションが大袈裟でわざとらしいところも興醒めです。エンドロールでめちゃくちゃポップなロック調のBGMが使用されたり、ところどころでホラー映画としての醍醐味を半減させてしまう演出もマイナスでした。
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