ゆりな

ジョディのゆりなのレビュー・感想・評価

ジョディ(2021年製作の映画)
4.4
「記憶を消さなかったら、あたしも同じように戦えるかしら。
あたしも人間みたく強くなれるかしら。」

たった数分の短編だけど、本当に名作。全てが好み。もう何回か観た。

セリフが英語なので外国の作品かと思いきや、日本人の監督!
メンタルクリニックの付き添いで小学生の頃、夢中で読んだ「ブラックジャック」を思わせる雰囲気。手塚治虫っぽさがある。

モノトーンでかっこいいのだけど、冒頭のロボットが壊れて大雨に打たれるシーンから心掛けてやられる。
ちょっとホラーかな?とビビりながら見たのだけど、そんなことはなかった。

この時期ちょうど、ジャンプの「ココロのプログラム」を読んでいたこともあり、ロボットものにグッと来た。
あと自分も辛いことがあって、「忘れたいなぁ」なんて思いながら過ごしていたので、むしろジョディの強さに救われて泣いた……。

虐待されているロボットが記憶を消して、また忘れて過ごす方がきっと心は痛まない。
でも、その傷を抱えて、強さに変えたいという気持ちと、自由に飛び立ちラストが美しかった。

私たちにも、どんなに辛いことがあっても、「未来の選択肢は無限大にある」ということを教えてくれる作品。
ゆりな

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