コーディー

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男のコーディーのレビュー・感想・評価

4.0
10作撮ったら引退すると語るタランティーノ監督の8作目までの足跡を追う、2019年に制作されたドキュメンタリー。
ビデオショップ店員から瞬く間に時代の寵児となっても変わらない映画への愛を、側で見てきた常連俳優やスタッフらが楽しそうに語る…
有名な逸話も多めな無難な作りながら、作品と共に振り返る永遠の映画オタクの肖像がファンには堪らないw至福の時間でした!

デビュー作〝レザボア・ドッグス〟に注がれた無名監督のエネルギーが俳優らにも伝播し、世界を席巻する…当時の手応えを語るブロンドとオレンジに早くも昂るしw作品毎に親しみと敬意を込めて逸話を紹介する俳優らとのLOVEな関係性も伺えるw
と、その一方でミラマックスやワインスタインとの密な関係から訣別に至る闇にも迫ってたりと、単に称賛だけではない内容なのも良かった。

キャスト選びに始まり音楽や小道具、オマージュに至るまで監督のオタクならではの〝好き〟への拘りや妥協の無さに魅了されたし、故ロバート•フォスターの〝ジャッキー・ブラウン〟に纏わるエピソードなどグッとくるものもチラホラ。
あとティム•ロスは嫌!ってヤンチャなエピソードを語ったり、かと思えばトラボルタを絶賛するマイケル・マドセンのお茶目な語りにも笑わせてもらった。

ただ錚々たる顔ぶれの中にユマ・サーマンがいないのはやっぱり悲しいし、生涯ベスト級に『パルプ・フィクション』が好きな自分としてはいろいろ思うところはあったかな。