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ニンフォマニアック Vol.1 ディレクターズカット完全版のmのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

上野千鶴子から本作の鑑賞へという、ひょっとすると稀かもしれない動機で出航。

神妙な面持ちで何でも釣りに喩えるおじさまが出てきて面白かった。極東の島国に住む人々はアメリカ文化にドップリ浸かってきた事もあり、野球を例えに用いることが多いが、本作の舞台だと思われる大英帝国では、釣魚がその地位を占めるのだろうか?『釣りとイギリス人』という書籍を発見したので、是非読みたい(もちろん、『釣魚大全』も)。しかし、あのエリセでさえ、31年ぶりの長編新作では自国で大いに躍進した遊戯を等閑になど付さなかったにもかかわらず、トリアーはその選択肢を採用しなかった。というより、できなかったという方が真実に近いだろうか?つまり、彼の出自と無縁でない。フィボナッチ数列やバッハの音楽理論といった無国籍な話題を展開していくのは、単に(日活映画的ではなく、という意味において単に)コミュニケーションの不和だというのは当然として、少々無理やりな感じが否めなかった。トリアーの描く外国には興味があるね。

冒頭は雪の降る晩から始まるわけだが、そこに血を流して打ち捨てられているのがシャルロット・ゲンズブールで、雪と血の組み合わせにはどうも日本人のDNAに刻み込まれている記憶(桜田門外や忠臣蔵等)が存在するのか、どこか胸騒ぎがする。まぁ、中身は好色一代女なんですけど。

Vol.2早めに観よう。
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