【ハイエナも噛む相手は選ぶ】
Netflixの南アポリスアクション新作。彼の国映画は珍しいし、稚拙さも素朴と捉えればまあ、楽しい。
幕開けはドロケイ。ドローン使いまくり?の慌ただしい画。このままただ、チェイスな快楽で突っ走るか?と思えば、物語は二転三転し、そこは引き込む。
脚本は、犯罪ドラマなのに中学生向けか?と思わせるゴッツ・ゴー主義だが、その中での魅力はご当地ネタ?が豊富に鈍く、光るところ。
孤児院で“十戒”を使って子供に教えるが当然、現代のテキストたり得ない。南アではどうする?…で、その孤児院出身のコンビが警察官になったら?というお話。
犯罪に手を染めぬと正義を貫けない。その日常感が南アなのか。“母ちゃん”の関わり方がスゴイ。ノブレス・オブリージュなんて誰もやらないから、貧しくとも自分が動く。そもそも、この語を生んだフランスは侵略者だったじゃないか!…なんて聞こえてきそうだ。
“アパルトヘイトのリストラ”で、黒人女上司の下に敷かれる老齢ボーア人警官組、なんてのも面白いのにね。恩讐を超えてバディへ…となるかと思ったら、意外と活かされない。
松重豊顔の主人公はじめ、キャストは味あるし、妙にカッチョいいバトルヒロインも華を添える。これで脚本が堅固だったらねえ。
ロケーションには文句なしに見惚れる。これが素顔かわからぬが、ヨハネスブルグの様々な顔と出会える。あのゴミ収集カート?って、どれだけ一般的なものなのだろ?
Joziってヨハネスブルグの略称なんだね。原題『iNumber Number: Jozi Gold』って英語らしいけど、南アの何らかスラングを使っているのだろうか?
<2023.7.6記>