黄金綺羅タイガー

ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズの黄金綺羅タイガーのレビュー・感想・評価

2.4
なんだか俄然ゲーム自体には興味が湧いたものの、映画にはいまいち乗り切れなかった。
よくあるわかりやすいフォーマットのわかりやすいホラーであり、かつなにが起きていて、なにがどういう事情でということをわかりやすく説明してくれるので、内容がわからないということはないのだが、なんだかどこに感情移入して良いのかがイマイチぼやっとしてしまう。

妹との感動ストーリーを描くなら、もっと妹との描写は必要だったし、それと天秤にかけるくらい大切な行方不明になった弟のギャレットへの描写も不足している気がする。
ヴァネッサのトラウマも、「トラウマか」の一言で片付けるのはいかがかと思うし、ヴァネッサとギャレットの関係というのもイマイチよく解らない。

あと黄色いウサギの正体が誰なのか、全然意外ではない。
というか、答えはそれしかないだろうという極太伏線なのがなんとも。

もしゲームを知っていたのなら、ゲームのあるあるに共感できてすごく楽しかったのだろうか。
でも、だとしたら本作はゲームのファンのためのファンムービーの域からは出ていないのではないか。
でもなんだかゲームの世界観はすごく好きになれそうで、ゲーム自体は面白そうなのがまたなんともより一層くやしい。
だからといって抽象的表現や映画的な表現をてんこ盛りにしたら、それはそれで原作のイメージが崩れかねない恐れはあるのでそうも出来なかったんだろうな、とも考えてしまう。
原作とその派生で作られた作品との両者の作品のクオリティを維持することっていうのはなかなか難しいことなのだなと改めて考えさせられた。