柾木嶺

ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズの柾木嶺のネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

マジでガッカリさせられたおもんない映画。
クソ映画ではなく、ただただおもんないだけなのでネタにすらならないのがキツい。

まあひとつこの作品の価値をあげるなら、「原作者が脚本を書いたからといって必ずしもいいメディアミックスになる訳では無い」ということだろう。

まずゲームの面白かった要素が全て死んでいる。
ゲーム1作目の設定の良かったポイントは以下の点だと思う。
「狭い管理人室に一人きりで動くことも出来ない」
「敵のことは監視カメラ越しにしか見えない」
「それぞれ個性のあるアニマトロニクス」

だがこの映画では主人公は管理人室で爆睡するし、妹も連れてきてしまう。シャッターも電力限界も存在しないし、監視カメラはあるけどほぼ見ない。
アニマトロクスは平気で歩き回るしフレンドリー、オマケに中には子どもの霊が宿っている。
襲い方に個性もなんも無いからフォクシーは盗塁してこない。てか知らんカップケーキがいる。

何よりストーリーの軸がオリジナル主人公の家族の物語になっているのがいただけない。
別にそれ自体完成度が低いわけではなかったが、そっちの話を成り立たせるためにピザ屋へのフォーカスがされなくなってしまっている。

これらの何が悪いのかと言うと、単純にホラーとしてヌルいのだ。舞台、背景設定、襲撃シーンの全てにおいて既視感があって緊張感がない。

たとえば同じように「過去に弟がさらわれた」設定だったとしても、むしろそれを理由にゲーム1作目のような「なんでこいつこんなに襲われてるのに毎日律儀に仕事に来るんだ?」っていう部分に強い理由をつけられる。
弟の誘拐の証拠を掴むために命懸けでバイトに来る主人公。日に日に激しくなる襲撃。そして五日間生き残った主人公が辿り着いた真相とは……。
こんな筋で全然行けたはずなのに。


1番あまりにも悲しいのは、改変したストーリーが「ウィリーズワンダーランド」に似ている上にあっちの方が面白いということだ。
向こうがトンチキ映画だというのを加味しても、ホラー描写ですら負けているから本当に悲しい。

みんな、「ウィリーズワンダーランド」を見よう。
柾木嶺

柾木嶺