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ザ・クリエイター/創造者のRENのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
4.0
ギャレスの持つジャポニズムがSF映画として噛み合う。SWを彷彿とさせるが、差別化は明快で新鮮味が強い。
しかしこれは戦争映画。劇中では昭和の動乱を纏めたかのよう。ニューアジア(東南アジア)という舞台はベトナム戦争、更に大東亜共栄圏を示唆する様な部分もあり、もしも近代産業の発展に軍事産業や紡績産業に加えてAIの発展があったら…?というifと考察できるような奥行きがある。
戦闘シーンもなかなかのもので、絶対的正義のアメリカが圧倒的なヘイトとして描かれるのは珍しいのでは。核は使ってないけどピカドンのような無差別的制圧力を持った空襲に、捕虜の虐殺と描写自体はなかなか過激。AIロボットを撃っている訳だからグロくはないんだけど。
SF映画であるにもかかわらず妙に地に足着いた世界観で没入感がある。まぁハリウッドなので魅惑の国ニポンしちゃってる部分はあるが。とはいえ渡辺謙の見せ場もバッチリで大満足。
ゴジラとローグ・ワンが明らかに経験値として今に至っている。上質なギャレス・エドワーズを堪能した。
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