アル華

ザ・クリエイター/創造者のアル華のレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.5
【AIにある”優しさ”人にない”優しさ”】
2075年、人間を守るために開発されたはずのAIが、ロサンゼルスで核爆発を引き起こした。人類とAIの存亡をかけた戦争が激化する中、元特殊部隊のジョシュアは、人類を滅亡させる兵器を創り出した「クリエイター」の潜伏先を突き止め、暗殺に向かう。しかしそこにいたのは、超進化型AIの幼い少女アルフィーだった。ジョシュアはある理由から、暗殺対象であるはずのアルフィーを守り抜くことを決意するが……。
引用 : 映画.com
https://eiga.com/amp/movie/99650/

想像以上に楽しめました✨

AIと人間の戦争という『ターミネーター 』(1984)の頃から続くSF作品における永遠の題材。
ただ、現代ではスマホの中にAIが搭載され、AIが画像を作り上げ、AIに脚本を書かせるか否かがハリウッドの脚本家ストライキの要因の一つになりました。
映画冒頭で、本作が描く2065年の世界ではなぜAIと人間が戦うことになったかが説明されますが、とても虚構(フィクション)の物語ではないのかなと思わされました。

ビジュアル面や武器、そして本作の顔とも言える米軍の空飛ぶ殺戮兵器「ノマド」←かっこいい😎
そして、人間描写の深掘りや魅力的なロボットキャラの登場に『ローグ・ワン』やインスピレーションを受けたと監督が明かした『AKIRA』や『ブレードランナー』を思わせるような要素がふんだんに盛り込まれ、単刀直入に言えば既視感は否めない。言い換えればワクワクが止まらないディストピア世界をスクリーンで味わう事が出来ました!


また、本作の下地である『地獄の黙示録』(1979)で描かれたベトナム戦争やアメリカ社会の悲劇を投影したかのようなシークエンスが随所に描かれ、人間が自らが生み出したAIを統治する社会はまさしく『ターミネーター』の真逆を行く世界!
少し可愛げのある爆弾特攻ロボ君も、人間側(米軍的な人達)が送り込んでいる時点で皮肉効いてますね👀

結びとしては、虚構(フィクション)で描く未来の世界は、現実(ノンフィクション)とはもうそこまで差がないのかな、、と考えさせられた良作でした👍
演技も皆上手いしね☺️
アル華

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