レオン

ザ・クリエイター/創造者のレオンのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.6
映像はそこそこの見所だが、本筋の真意が分からない・・。
その映像や造形物も、「ブレード・ランナー」(1982年)や「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」(1995年)からヒント・影響を得ているなと思われる物も多々・・。
映画コムでは★平均3.6と私と同じほどの評価。

壮大なタイトルだが、作品ではエリア的にはかなり狭い範囲での戦闘で進行する。
そしてその創造者の本意も自分的にハッキリ伝わらず、前半は「ローグ・ワン」と同じように捜索・追跡劇にしか見えず、かなり退屈に感じた。
尚、ギャレス・エドワーズ作品は「GODZILLA ゴジラ」(2014年)以降から本作まで4作全て見てるが、全て期待値以下。


↓ややネタバレ含む

まず、"ニルマータ"と呼ばれる、ザ・クリエイター=創造者が、結局人間であり、あらゆる機械を制御出来る、AI少女アルフィーを創造するのだが、それの一番の目的がハッキリ伝わらない。 暴走するAIを阻止したかったのか、あるいは身勝手で強欲な人間をに愛想尽き、そういった人類側を消滅させたかったのか。 

結局、米飛行基地である、ノマドとその乗員を消滅させただけ、という中途半端な結末で、その後の人類とAIの関係がどうなるか等の、暗示もない。

ほぼ人間と変わらぬ表情が出来、泣くことも出来るアンドロイドが、真横から見ると筒状の大きな穴が空いている造形も私的には?で、ロボットである事を公表して、さらにその部分は外部衝撃に弱くなるはず・・。
それに、寝てる間に簡単に電源OFFにされてしまう仕様なんてあり得ない。 

そもそもAIが人類に反撃したいなら、核爆弾など使わず、あやゆる電化器機やメカを制止するだけで、現在の人間社会は壊滅的な被害を被るはず。

造形物も既視感のある物が多く、振動する山からなにが出てくるのかと期待したシーンは、ほぼ乗り物の様な戦車で、まだスターウォーズの方が、ユニークな造形物が多かった。 車輪の方が前に出た車はブレードランナーまんまだし、後頭部からデータを抜き取るシーンも攻殻機動隊のまんま。(攻殻はプラグだったが)
だから、映像的にも思わず声が出そうになるシーンはほぼなかった。

唯一感情移入したのは、ほぼドラム缶に手足が付いたような、自爆ロボが
「今までご一緒でき光栄でした」的な言葉を上官に残し、敵に突っ込んでいくシーン。 機械なのだが、刹那を感じた。
そして多くの方が目を潤ませたであろう、アルフィーとジョシュアの最後。 私も目が潤んだが、子供にあの表情であんな台詞を言わせれば、シンパシーを感じて当然・・。 だがそれが機械なのだから、これでいいのか・・。

私的には、とどめを刺しに来たスタンスフィールドに、
「This is form Matilda・・」と言葉を残し、手榴弾のピンを抜く、レオンの方がはるかに心に刺さった。

そうそうもうひとついいところが♪
挿入曲に DeepPurple 超名曲「Child In Time」が聞こえた時はROCKファンとしては嬉しくなった♪ 
https://www.youtube.com/watch?v=OorZcOzNcgE

主役 デビッド・ワシントンは「テネット」レビューに記載したが、光っている物が見いだせない。 本作では髪の毛が当初、茶色のややアフロ風から、黒髪になっているのに、マヤに再会シーンではまたアフロ風に戻っているのも意味不明・。

まあ金が掛かっているシーンがほとんどなので、多少の見応えは感じたが、もし物語はそのままで、低予算で渡辺謙などの出演がなければ、★平均は3前後の凡作になっていたのでは・・・と感じる。

やや期待していたので、ほぼ批判レビューになってしまった。
まあ今後はエドワーズ作品は、ハードルを下げて見る事に・・。
レオン

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