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ザ・クリエイター/創造者のmsyのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

映像の新しさと音楽のマリアージュが天才すぎて戦慄した、この衝撃NOPE以来の体験だった、観て良かった。

二大勢力の対立、指示待ちして従う後方という、戦争の姿として現実と地続きなのでしんどいが、ノマドに不時着させられた一般市民が見捨てられてる一方、犬は絶対死なないというポイントを押さえたりしてるので間違いなく映画好きの気持ちを分かってるいい映画です。日本語直訳「もういや遊牧民」とか東京の看板、あと音声翻訳とかアジア一括りなの抜け感とも言える。

アルフィーがだんだんマヤの記憶を取り戻す(リロード?)中で、最後あのボディにメモリーを差し込むところ泣いた。そして小さな体でマヤをジョシュアの元に連れて行こうとする姿、「気持ち」って何やろうってなる。子が親を求めたり、人が小さきものを守ろうとしたり、パートナーを求める本能とか何やろうってなる、人間のプログラムであるそれをAIが学習するの奥深すぎる。それだけ気持ちって大きいもので、それがあるから戦争も起こっている。厄介だけど気持ちをなくすことはできない。あの緊迫した状況でも二足歩行の爆弾ロボットに何の感想も抱かん人おる?

アルフィーを助けて自分の命は諦めたジョシュアが、一転マヤと再会できて彼の感情は「諦観」から「喜び」に変わりそこでオフを迎えたのも泣いた…自分がオフになる時はやはり「喜び」のところにいたい。そこには他者を笑顔にしたり何かの役に立てたなっていう自尊心が必要だと思う。自分でオフしたい辛い状況のときはスタンバイにする。そして争いに巻き込まれることによる一般市民の猶予なき「オフ」、その無慈悲さ。今の自分なりの受け取り方があって後半たくさん泣いてしまった。

何よりJ.D.ワシントンの憂いの顔も良く最高の映画体験だった。映画館でまた観たい。
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