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ザ・クリエイター/創造者のyamakのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

IMAXで鑑賞。タイトルが平凡なのであまりパッとこなかったが、予告で面白そうだったので鑑賞した。特定の人を好いたりするようにプログラムすることはできても、あくまで数値計算によって動くAIは感情を持つことはないのでは、と個人的には思ってはいるだけに、人間とAIの絆や愛情というものに帰結する部分には少しありきたり感もあったが、細かいことを抜きにすれば、章立てのようになっていたストーリー展開含め、とても楽しめた。ハンス・ジマーの音楽もはまっていた。

AI vs 人間という構図はそこそこあるが、今作はAIを守ろうとする人間と、AIを悪とする人間同士の争いという、蓋を開ければ今の時代とやっていることが変わらない世界だった。2065年という年にも関わらずこれが人間の限界なのか、このあたりは作り手のメッセージなのかもと感じた。また、反AIの拠点である巨大空中兵器基地が「ノマド=遊牧民」という名前なのも、皮肉に感じた。

「天国」というワードが所々でポイントになっており、人間でない自分は天国に行けないのかと訪ねるアルフィーの視点にはハッとさせられるところがあった。今や生活からAIを排除するのは不可能であり、AIをどこまでの範囲でどう使うかを考える段階にあるが、それ以上に人間というものを見つめ直すことの大事さが、描かれている気がした。
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