EDDIE

ザ・クリエイター/創造者のEDDIEのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
4.6
未来には感情豊かなAIが存在する。
想像をかき立てるプロットと子役の見事な演技がたまらない。
結局、汚いのは人間。
都合の悪いことは他になすり付ける…これは未来でも変わらないのも。
SFガジェットや壮大な音楽、映画としてかなり上質な作品。

なんだこの日曜洋画劇場感(日曜洋画劇場でよく放送されそうな類の映画という意味)。
こういうのが観たいんですよ、僕は。
クライマックスずっと泣いてました。
子供とのロードムービー、自己犠牲、愛の到達点、SF描写のバリエーション。

大満足です。

一つ注文を付けるとするならば邦題かな。
“創造者”というサブタイトルで補完するのならば、メインタイトルは“ニルマータ”としてほしかったかなぁ。

全体としてプロットは割と単純明快で、元特殊部隊出身の軍人ジョシュアは、人類を滅亡させうる兵器を奪取し抹殺することを計画します。
しかし、その兵器と呼ばれるAI型少女アルフィーの持つ性質と秘密を知り、彼はその少女を守るべく行動するようになる、という感じ。

随所に差し込まれるニューアジアと呼ばれる土地の日本描写の仕方など、ヘンテコ感はあるんですが、日本や近隣アジア諸国のいろいろを混ぜ込んでいる感じがこれまた良いんです。
AIが人間の感情を覚えたら…そう考えると凄まじい未来を予期せずにはいられませんが、それでも絶えないのが人間同士の争い。もちろんAIも例外ではないでしょう。
そんなAIを自然に生活に留め込ませてからの文化を想像させられ、その綻びも同時に感じさせられます。
あらゆるSFガジェットは胸がワクワクするし、ヒューマンドラマとしても秀逸なので2023年の年間ベスト級に気に入った作品の一つとなりました。

〈キャスト〉
ジョシュア(ジョン・デビッド・ワシントン)
マヤ(ジェンマ・チャン)
アルフィー(マデリン・ユナ・ボイルズ)
ハルン(渡辺謙)
ドリュー(スタージル・シンプソン)
ハウエル(アリソン・ジャネイ)
シミュランツ(アマル・チャーダ=パテル)

※2023年新作映画144本目
EDDIE

EDDIE