【AIと人間のどちらが性悪なのか?】
これまでAIと戦う事になる作品は色々あったけど、こんな味付けだけはなかった気がします。
「ネアンデルタール人は高度な文化を持ちながら、残虐な種に滅ぼされてしまった。それが我々人類です。」というセリフ通りに、残虐にAIや彼らと共に生きていこうとする人類を抹殺しようとする西側諸国。
考えてみればchatGPTしかり、AIは出された命題に対して最適解を導き出すだけで、質問さえ間違わなければ正解を出します。
当作ではそもそもAIが核攻撃を始めた未来という設定ながら、AIを敵とする西側諸国と支援する側のニューアジアが対立する世界を描いています。
西側が躍起になって消し去ろうとする、AI側が作り出した最終兵器は、まるで少女のようなシミュラント(模造人間)のアルフィー。
というかアルフィーには絶大な武力がある訳でもなく、そこから西側が恐れるものはきっと、そんなアルフィーの存在を知ることでニューアジアだけじゃなく、世界中が「真実」に気づいてしまうこと。
これは何も絵空事じゃなく、西側諸国がこれまでにも第三世界に対して行ってきた事実を元に創作された未来のように感じます。
スターウォーズ最終話などを描き出した、ギャレス・エドワーズ監督の創った世界観を、ハンス・ジマーの重低音が彩り、アジアの風景や日本語によってさらにエキゾチックに感じさせます。
そして物語の最後、エンディングに持ってくるピアノがまたニクイ!