何となくシモン・ストーレンハーグ的な世界観を思わせる近未来ＳＦのヴィジュアルセンスは嫌いではないのだが、如何せんストーリーが弱すぎる。
ＡＩ対人類の戦争を中心に据えながらもＡＩというものに対する掘り下げが十分になされておらず、テーマが見えてこない。
例えば途中でＡＩは人類との戦争など望んでおらずＡＩが勝利すれば人類との平和な共存できるのだというようなことがＡＩ側から語られるのだが、なぜＡＩが人類よりも倫理的な振る舞いをすることができるのか納得のいく描写は存在しない。
また作中のアジア的要素を十把一絡げにごちゃまぜにした世界観や、911やベトナム戦争をイメージソースとして流用している部分も単なる雰囲気づくり以上の内実があるようには思えず不誠実であるように感じる。
ラストの爆弾一つで超巨大兵器を破壊して終わりというのも、仮にも本家スターウォーズも手掛けた監督がやることとしてはあまりに安易でがっかりさせられた。
