伏見の剛力

ザ・クリエイター/創造者の伏見の剛力のレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.5
ギャレスエドワーズがSF映画撮るのね~ケンワタナベも出てこりゃ面白そうじゃない、予告編見ても第9地区やチャッピーみたいな感じですからまだ人間<ロボ、エイリアンみたいな映画撮りたいのかどうせまた辛気臭いんでしょ?そういう呪縛から解かれろよと思ってたらどうやら私はニールブロムカンプと間違ってまして彼は最近観たグランツーリスモを監督してましたね老いですかこれは?

ギャレスエドワーズはモンスターバースの1作目ゴジラやローグワンでしたね、ローグワンは主人公がマッツミケルセンと会う前の画面が暗いシーンで映画館で寝てしまった記憶がありそれ以降家で見返した時は寝たことはありませんが大丈夫なんだろうかと少し気がかりではありました。

お話的には人間とAIの抗争の中で主人公がAI少女のマクガフィンと出会い心を通わすという想像通りというかローグワンのような過去編を描いてないにも関わらず使い古されたプロットの予定調和止まりではありました。

なんかアバターやスタートレックイントゥダークネスやローグワンみたいなことしてるな~とデジャヴが起こること間違いなしでキャストの面々もSFやヒーロー映画に出演してることも相まってそう感じざるを得ない起因ではあります。


ですがローグワンで反省したのかAIは人間と同等かそれ以上の感情があるのかとか登場人物間のやりとりや目的地までの過程これらを当たり前でしょ?知らないの?と言わんばかりにすっ飛ばすかの如くパンパンとリズミカルに進んでいく上で4章ほどチャプターも存在するので丁寧に描いて欲しいという反対意見もわかる中でだがそれがいいと私的には寝落ちせずノンストレスで楽しめました。

世界観がですねロサンゼルスでAIが核を落としAI撲滅を掲げた東諸国とAIと共存する 西諸国の戦争という一見ターミネーターかよとげんなりするも西諸国側にはニルマータなるAI創造主がいて新兵器も開発しているのでそれらを暗殺、破壊するというでちょっと捻ってきたなという印象です。

ていうかよくよく考えるとターミネーターやローグワンの設定と酷似していてニルマータがジョンコナーや反乱軍、新兵器がサラコナーやデススターの地図を破壊する目的とまんま一緒やんと捻ってるもクソも無かったんですが東諸国側の主人公と謎の少女やAIとの交流に重きを置いてる作りが単にSFアクションに留まっておらずニューアジアという世界観がとにかくSFらしからぬ田舎臭い雰囲気に落ち着いてるんですね。

何と言うか A 24 のアフター ヤンの世界観を拡張させたらこんな感じなのかしらと適当な感想が出るほどほのぼのとしていて日本の文化や言葉も飛び交うほど親近感を覚えました。

そんなニューアジアのAIロボットが人間の皮を被ったシミュラント模造人間もいればスターウォーズにいそうな明らかに顔がドロイドのようなAIロボもいてこの作品の面白い所はこのAIロボが感情豊かで動きも人間的なんですよねカクカクしてないんですよ。

敵襲を受けて逃げるロボがあそこに避難したら人間の子どもたちが巻き添いになるからと大丈夫大丈夫とジェスチャーし違う方向に逃げ破壊されるとか私の子供たちはどこだ会いたいと言って電源をオフにされるとかなんかトランスフォーマーみたいでしたね。

トランスフォーマーって命ごいするじゃないですか、やめろーとかよせとかまあでもあれは金属生命体ですけどもしAIロボが進撃の巨人みたいにおとうさーんおかあーさーんごめんなさいごめんなさいごめんなさいいや〜みたいな命ごいしてたら泣いてたかもしれませんね私は。

近未来なのでマシンなどのデザインが変に複雑化してなくて良いんですよ、ガンダムooのプトレマイオスのような大型戦車とか敵の宇宙にそびえるノマドという要塞が。

このノマドのデザインがどっかで見たことあるんですよ、ガンダムかエヴァか全く思い出せませんが武器みたいなんですよね、取っ手の部分が輪っかになってる武器というかアソーカのマロックがそんな武器持ってましたねアレのライトセーバーじゃなく刃バージョンというか思い出せませんでした。

その結構マシンのデザインが洗練されてるにも関わらずビーム砲など撃たず近未来だからなのか普通にミサイルという非常に棲み分けが見事で現代的な兵器なのがツボでしたねAIが発達しててそれかよっていう。

まあビームよりミサイルで爆破したほうが絵になりますからね~でもSFでカーチェイスやドッグファイトがなかったのは残念でしたね〜。

ツッコミどころがたくさんある映画でしたが一番ツッコんだのが一番賢いのが人間でもAIでもなく犬と猿ってどういうことなんですか。
伏見の剛力

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