のん

ザ・クリエイター/創造者ののんのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
4.2
日本語のフォントがダサい


『GODZILLA ゴジラ』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』とハリウッドの大作を立て続けに撮っているギャレス・エドワーズ監督の最新作はどこかインデペンデント映画の雰囲気を漂わせるSF映画だ。

近未来。AIの暴走により二分された世界が舞台だが、AI対人間という単純な図式には落とし込まず、これまでの作品と同じくドキュメンタリー的な距離感で捉えた映像が印象的だ。

『地獄の黙示録』など戦争映画の影響を感じるが、地獄のようなシーンと、フィクションとリアリティの境目を狙った美しいショットの対比がこれまた見事で、シリーズものやヒーロー映画に溢れるハリウッド映画では久しぶりにオリジナリティ溢れるビジュアルを堪能できた。

『ローグ・ワン』はトニー・ギルロイのテコ入れがあり後半は監督の当初の構想とは大きく違うものになったという。あれはあれで面白かったが、本作を見るに仮にスターウォーズでこれをやっていたらファンには受け入れられなかったように思う。

その意味で本作はスターウォーズというフランチャイズでは実現できなかった『ローグ・ワン』の完全版、監督が意図した形での完成形なのだろうと思う。

ギャレス・エドワーズ監督には日本の漫画や小説をバンバン映像化してもらいたいところだが、その際はあの日本語のフォントはダサいということだけは指摘してあげてください。
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