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ザ・クリエイター/創造者のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

数少ない本格SF冒険譚。『ローグワン』の監督によるオリジナル脚本は、渾身の一作と云える出来映えです。

面白いのは兵器の数々。一番はターゲット爆弾なる武器、スキャンして見つけた標的をロックオンして追尾、破壊する。この新機軸が効果抜群!
製作がアーノン・ミルチャン率いるリージェンシー。なるほど、戦闘場面の上手さは流石で、地上戦に登場する、敵の中に特攻自爆するAIや大型重戦車など、見所満載。

そもそも、頭蓋骨の一部が空洞化しているAIのビジュアルが秀逸でもあります。

以下は物語。

2065年、AIを支持するアジアと、AIによりロスを破壊されたアメリカは戦争状態。
潜入捜査員として送り込まれていたジョシュアは、アジア人女性マヤとの子供ができる直前、アメリカ軍の無謀な作戦で身重の妻マヤを失う。

5年後、アメリカの開発した巨大な空中艦ノマドにより戦況はアジアの駆逐まで今一息となっていた。退役したジョシュアの下へ、マヤは生きているとの情報があり、彼はアジアの切り札として開発された兵器を捜す任務に就く。深くえぐれた湾に降り立つ米兵たち。ジョシュアは村の下に隠された基地を発見するが敵に見つかり殆どが絶命する中、ジョシュアだけが基地内部に潜入し、最終兵器らしきAI少女を発見する。

ジョシュアはアジアの警察にも、米軍に追われる身となりながら少女アルフィーとマヤを捜す。ジョシュアはAI戦士ハルンにマヤの下へ連れていって欲しいと頼むが、聞き入れられない。すると、容赦ないノマドからの爆撃に遭った時、アルフィーが覚醒し、機械を制御する力を発揮する。

ジョシュアとアルフィーは、マヤのいるチベット奥地へ案内される。しかし、彼女は植物人間と化していた。彼女が死の間際に自分の胎児のコピーとして作ったAIがアルフィーだったのだ。

最終決戦、ジョシュアとアルフィーはノマドに向かう------

物語はアメリカを悪者として描いていて、だから、スタジオが出資していないのかと思わされ、怖さを感じます。まるで、ベトナム戦争の暗喩、いや、ガザの暗喩とも思えてきます。
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