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ザ・クリエイター/創造者のyahのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.9
10/12 全国最速IMAX試写会、及びギャレス・エドワーズ監督が登壇した10/17 ジャパンプレミアIMAX試写会に参加。

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ギャレス監督の口からその言葉が何度も飛び出たように、純度の高い日本愛が散見される本作。また、80年代SF名作やスターウォーズエピソード2への直接的なオマージュや、自身が途中で降板を余儀なくされた『ローグ・ワン:スター・ウォーズ・ストーリー』を自らの手で創り直すような展開が相次ぐ。

人気IPやフランチャイズ映画ではない、新たなSFアクションを生み出したかった、なんとか企画を通したという素晴らしい試みが実を結んだ作品ではあるが、その内容は確かに近年のスターウォーズやMARVEL映画を凌駕するほどの熱量を感じても、実際は『オマージュ』『コピー』だらけ、既存作品の引用に次ぐ引用だから企画が通ったんだろうとも思えてしまうのが残念だ。

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「放射線からの被ばくを防ぐためのヘルメット」を「次のシーンで少女とハグするカットを撮りたい」がために脱がせたり、

「タイムリミットが迫り一刻も早く合流しなくてはいけない」ような状況でも、「ギリギリまで間に合わなくなるためにゆっくり歩いたり」「必要以上な大きいものを運ばせたり」、「お涙頂戴シーンへ繋ぐための無駄な展開を作ったり」と、脚本や演出が『エモさ』のために破綻しているのも正直目に余る。


ただあまりにも(字面通り)爆発力のあるアクションシーンや、そのビジュアルの美しさに息を呑み、胸を掴まれたのも間違いない。

初見では気になって仕方なかった脚本の荒々しさが2度目では「まあいいか、それが撮りたかったんだもんな」と許せてしまったのは、自らの目で見て耳で聞いたギャレス・エドワーズ監督の穏やかな表情や熱い想いや心温まるような言葉の数々からだろうか。
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