カタクチイワシ映画レビュー

ザ・クリエイター/創造者のカタクチイワシ映画レビューのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.8
冒頭から移動型攻撃基地”ノマド“から照射されるレーザー標準(レーダー機能付き)で「ファッ⁈ なんじゃこれ⁉︎」ってなって掴まれちゃいました。

ギャレス監督の好きなSF映画てんこ盛りって感じ。でもただインスパイアされましたっていうんじゃなくて、ちゃんと独自の世界観を作り上げていてイイ感じでした。やっぱ舞台となる”ニューアジア“というのがなかなかの魅力。
ロボット・AIものでアジアンテイストがふんだんなのってあまり観たことなかったので新鮮でした。

主人公ジョシュア(ジョン・デヴィッド・ワシントン)がAI側の究極兵器であるアルフィー(マデリン・ユナ・ヴォイルズ)と行動を共にするうちに揺れ動く感情や葛藤はありがちな展開ですが共感しちゃいます。終盤の”天国“云々の会話シーンなんか悔しいかな、ちょっと泣けちゃったくらい。な〜んかギャレス監督に上手いこと乗せられちったなー。

予告観たときは人類vs AIの構図だと思ってたのだけどちょっと違って、実際は AIビビリ西側諸国vs AI共存アジア圏(”ニューアジア“)というのも面白かったですね。
ニューアジアのAI達は人間と仲良く暮らしていて、それこそありがちですが人間より人間らしく描かれています。逆に西側のメインキャラ・AI絶対ぶっ殺すウーマンな大佐のほうが、そうなってしまった理由こそあれど余程機械的か。ちょっとフェアな描かれ方されてない気がするけど、こりゃニューアジア応援したくなりますわ。

でもちょっと思ったのが、このAI達が戦争の発端である核攻撃を仕掛けたってのが終盤に行くほど飲み込み辛くなりました。コイツらなら自由の権利を主張する運動やら裁判やらで平和的にいきそうな気がしちゃう。もしかしたら私がどっか重要なシーン見逃したのかも。
だとしても核攻撃を仕掛けたこと自体は自由を掴みとったとしても問われる問題点なのでわ、とか…。まぁいいや! 面白かったし‼︎


この手の映画はもちろんメタファー込み込みなわけで、単純に機械vs人類とか、AIに魂はあるのか?みたいな裏に他者との相互理解といったことが表現されています。今作も分かりやすいエンターテイメント性と共にそういったテーマもバランスよく描かれていたと思うので、ギャレス監督には今後も楽しいSF映画を作っていってほしいですね。よっ! クリエイターっ‼︎
劇場ガラガラだったんでもっと入ってほしい作品でした。オススメですっ!