るるびっち

ザ・クリエイター/創造者のるるびっちのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.5
AI人情噺。
AIの子供を殺せと言われた男が、親子のように旅をして失踪した妻を見つけた時に、実はそのAIの子供と自分に繋がりがあると気づく話。

松竹ホームドラマを、SFとベトナム戦争風味で味付け。
新作ラーメンが、トマトやらチーズやら色んな具材を足さないと新しさを出せないのと同じ。
いっそのこと、『AI小津安二郎』に作らせればよい。

今までのSF映画が描いてきたロボットやAIの脅威や敵対視から、AIは進化した人類である。それを新人類として移民問題のように描く視点が画期的と言われる。

でもそれ、『鉄腕アトム』と同じ世界観では?
アトムは人間とロボットの共生に悩んだ。
ロボットは奴隷ではない、でも人間の敵でもない。
それを描いていたのでは?
アトムは70年前だよ。
遅すぎない?
いや手塚治虫が早すぎるのか?

今更、鉄腕アトム的なものが画期的という評価を得るなんて。
その程度のアレンジでしか、新しいものを描けないなんて。
むしろ未来の希望を失った。
新しい物ってないんだな。SFはもう、過去の遺産を所々ひっくり返す程度のアイデアしかないのかな。
徳利シャツをタートルネックと言い換えて、新しさを出した程度。
言い方を変えてもアトムだから。
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