とにかく主人公である丸刈り女の子「アルフィー」がかわいくてかつ演技があまりにすばらしい感動超大作。映像も壮観の一言。
ただ、なぜか、西洋はAIをただの機械として反対する世界、東洋はAIに人間と同じ権利を認めて共存する世界となっているが、「人間もAIも結局は同じだ」といい切ってAIを完全な人工人格として表現し、かつ「ニューアジア」という名前に象徴されるような東洋に対する神秘と幻想をそこに付与してしまっているのは、今の時代、私たちの現実の判断を狂わせてしまう危険なファンタジーだなあと思った。ぜんぜん結論が出ていない大事な問題なのに、まるでAIに脅威を感じる人を悪者に描いてしまっている。
胎児のAIロボットを製造しているシーンが一番不可解で、AIが問題ではなく、人工生命体を人間がつくったということのほうがよっぽど大きなテーマになるだろう。
でも一つの創作としてまさに感動そのものであった。だから、むしろ今物議を醸しているAI問題とは関係なく、戦争における敵と味方の間で、それを超えて結ばれた男女、家族の愛という描き方をしてくれてもよかったと思う。