もちお

ザ・クリエイター/創造者のもちおのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

 配信で観ました。
 字幕版です。
 思考を促される作品でした。

①少し気になったところ
 本作は好きですが、少し気になったところもあります。
 ニューアジアでの日本語です。
 アジア圏ということで日本語が取り入れられたのは嬉しいものの、少し違和感がありました。
 英語で話していたかと思えば、急に日本語が出てくるので、少々混乱しました。
 そこが面白いとも思いましたが、気持ちが乗りきらなかったです。

②良かったところ
・人間の本質について考えさせられる
 映画全体を振り返った時、人間とロボットの境界線が曖昧だった印象です。
 何が人間たらしめるのか、その本質について考えさせられました。
 体の一部が機械化している主人公。
 死者の意識をロボットに転送する装置。
 ロボットの機能停止を悲しむ人々。
 死を悼むロボット。
 爆弾のスイッチを押す猿も印象的でした。
 明確な答えが提示されず、さまざまなシーンで思考を促されました。

・西側の女性軍人
 ニューアジア打倒の中心人物として、動いていました。
 主人公と対立するので、シンプルな悪役になりそうなところ、そうはなっていなかったです。
 台詞だけとはいえ、AIやロボットを敵視する理由にも触れられていました。

・安易に「世界が平和になりました」とはならない
 ニューアジアと西側の対立については、はっきりとした終焉が描かれずに幕を閉じました。
 あの兵器が壊されただけで平和に一直線になるかと言えば、個人的には疑問でした。
 他の兵器もあるでしょうし、なかなか難しい状況ではないのかなと。
 そこが良かったです。
 深刻な対立をじっくり描いた上で、安易な解決を導かないところが誠実に感じました。
 
・愛についての物語
 ジョシュア、マヤ、亡くなった赤ちゃん、アルフィー。
 4者の関係が複雑に絡み合っていました。
 じわじわとジョシュアの想いが伝わってきました。
 終盤の「最後にもう一度触れ合う」シーンが良かったです。

③まとめ
 好きな作品です。
 観て良かったです🙇
もちお

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