紅梅シュプレヒコール

ザ・クリエイター/創造者の紅梅シュプレヒコールのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
4.2
『GODZILLA』『スター・ウォーズ:ローグ・ワン』で知られるギャレス・エドワーズ監督が描くAIと人類の戦争、共生をテーマにしたSF大作

AIロボットによって引き起こされた核爆発事件を皮切りに、AIの排斥を実行し始めた西側国。それとは逆に、AIとの共生を選んだニュー・アジアとは戦争状態にあった。そんな時代の中で主人公のジョシュアは、子どもの姿をした超兵器<アルファ・ワン>と出逢い、戦争の状況を大きく変える旅に出ることになる…という物語です

救世主思想やAIとの戦争だったりと物語の軸の部分には特別な目新しさは見当たらないですが、世界観のデザインが個人的に好みだったので最後まで楽しんで観ることができました

『スターウォーズ』や『GODZILLA』に携わったことで得た演出力で魅せる巨大空中要塞"ノマド"や巨大戦車などの登場に少年心はくすぐられっぱなしでした

AI弾圧を進める西側国のヒールっぷりも徹底しているので、よりカタルシスを感じられる結末になっているのも良い(ここまで西側を悪く描くことに驚きました)

子連れ狼スタイルで描かれる主人公とAIの子どもの心の接近も見ていて面白いものになっています

日本文化にリスペクトを持ってくれているギャレス監督ですが、今作ではカタカタや漢字の頻出や日本語話者の登場など日本人として嬉しくなる要素が詰まっているのも見所

ツッコミどころは結構ありますが、愛を失った主人公が、再び真の愛を見つけるまでのロマンチックな物語は中々見応えがあります

ギャレス監督の好きなモノが存分に詰め込まれた傑作となっていますので、SF好きな方には是非観てほしいです