風来坊

ザ・クリエイター/創造者の風来坊のレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.5
原作が多い時代に完全オリジナルのSF超大作という事で公開当時にスゴく話題になりましたね。でも実際はそこまで製作費は高くなかったですけど。
最後まで劇場で観るか迷ったけれど、後に賛否両論の評価が出て結局は見送りました。

まず冒頭、潜入捜査だか知らんけど主人公が最低過ぎて引いた…。裏切りから始めといて最愛の妻を失ったと言って追い掛けて未練タラタラはねぇ…。
確かに皆さんのレビューの通りで軍の非道さなどとロケーションも相まってベトナム争を彷彿とさせます。

製作費削減のために安めのカメラを使ったそうで映像の粗さを抑えるためか、トーンを落としたような暗い映像が多い。
しかし、それが逆に味のあるというか荒れた未来感を演出していて面白い映像になっていました。

人間側の大佐のほうが極悪でAIの方が人間が想う理想の生き方というのも訴え方として面白い。
ただ…少女と主人公のが急に心を通わせるように見えたりと心情の描き方は足りないような気がしました。

これも皆さんのレビューの通りで「エイリアン」「第9地区」などなど色々なSF映画の継ぎ接ぎのような感じは受けます。
まあ影響を与えて行く物なのでこの辺は仕方ないところと思いますけど。

うーん…面白く無い訳ではないんですけれど、かと言ってスゴく面白い訳でも無い…。
なんか気乗りしないというかかゆい所に手が届いてない作品と思います。
監督の理想というか撮りたい見せたい映像が先行でストーリーに重厚感が無く説得力に欠けますね。

それでも原作ありきの時代にオリジナルでSF大作を製作した気概は称賛したいです。
AIの話かと思ったら人の心の話。やはりこういう話は人の親の目線だと感じる物が違うと思いますね。孤独な私にはちょっと刺さらない部分もありましたが、まあ悪くは無かったと思います。
ちょっとあざとさも感じてしまいますが、監督の日本贔屓は嬉しいところですね。
風来坊

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