このレビューはネタバレを含みます
🟨【良かったところ】
20分あたり、
着陸する時のBGMがドタイプ。
意識を移動させるシステムの
円環みたいなビジュアル。
顔が人間じゃないタイプのロボット、
【サイバーパンク2077】の
トラウマチームみたいで好き。
アルフィーあんなキテレツ頭部なのに
全力で可愛いの、ただの反則。
髪の毛あったらおそらく可愛すぎて
アルフィーにしか注目が行かなくなり、
【ザ・クリエイター】ではなく
【ジ・アルフィー】になる。
全編、最高にハッタリの効いた映像で
ずっとカッコよかった。
背景映してるときがいちばんだけど、
車だったり船のビジュアルもピカイチ。
いろんな作品を彷彿とさせるけど、
個人的には
ちょっと車体のデザインとか、
ところどころの展開、ビジュアルに
【デスストランディング】味を感じた。
章ごとに(20-30分)場所が変わって
盛り上がりも作るみたいな構成、
飽きがこないので見やすかった。
難しい会話劇がいっさい出てこないから、
小学生でも理解できる分かりやすさ。
でっかい扉の奥に子どもがいるの、
めっちゃ【AKIRA】だった。
映像面だけの評価なら
4.0ぐらいは付けたかった。
🟥【気になったところ】
雰囲気を何がなんでもぶち壊す
日本語タイトルロールの
"〜創造者〜"には満面の苦笑い。
日本人以外には
漢字ってだけでカッコいいのかな。
アルフィーが「誰か来る」つって
敵がやって来る展開、
身内が書いた脚本だとしても
「さすがに多すぎる！」って
ガチビンタしてその目を覚まさせます。
重要な会話の直前で襲撃されて
気がそっちに向く展開も多いし、
展開が変わるキッカケに
"襲撃"を酷使し過ぎだった。
吹き替え版のはなしだけど、
渡辺謙の顔で声帯が森川さんなの
残念ながら違和感が勝利してた。
ずっとちょっと気になる。
敵視してたアルフィーに対して、
自分の子供みたいでかわいいな…
何度もおれのこと助けてくれるな…
ぐらいの感覚で
いつのまにか溺愛にまで達してた
ジョシュアの感情変化なんかも
文句アリないい加減さだった。
確かにその２つがあれば
充分溺愛にまで持ってっていいんだけど
そういったポイントポイントを
まったくドラマチックに描いてないので
「アルフィー！！！」とか
「ジョシュアー！！！」って
両者が魂の叫ぶを繰り返してるたびに
(い…つのまにそこまで仲良く……？？)
って感情が、脳内を駆け巡ってた。
「AIは人間のミスの責任を
押し付けられただけだから
全滅させられる筋合いない」って理屈には
文句なしに共感できるんだけど、
AIは正義！人に寄りそう良い存在！
としか描かれてないことには違和感あった。
いまのご時世的に
AIに対して希望を抱いてるというより
危機感抱いてる割合の方が多いと思うんだけど
2060年代っていう時代設定によって
AIに対しての考え方に
現代の危機感みたいなものが
まったく入ってなかったのは残念。
いま描く必要性を感じられなかったし、
AI側が人間側の最大拠点を破壊しました！
ってオチをハッピーエンドに描かれても
ふつうに困惑してしまう。
「AIが人を裏切るなんてありえないし、
悪いのはすべてAIを敵視する人間側！」
っていうまるで二面性のないテーマ性は
プロパガンダじみてる気がして若干怖い。
人間を裏切ってAI側に付く主人公なんだから、
AI側を裏切って人間に付くAIとか、
主人公を裏切るAIみたいな
いろんな立場を描いてバランス取らないと
テーマ性の描きかたとしては
かなり安っぽくて嫌だなぁ…と思った。
そもそも西側の人たちは
「AIが核を落とした」っていう
前提のもとで行動してるんだから、
西側の方に共感できてしまう要素を
配置してるのもおかしい。
ふつうに考えて、
人間が犯したミスの責任を
AIに肩代わりさせた証拠があるのに、
AIを信じられない &
AIを排斥したい政治的な理由があって
理不尽にAIを殲滅しようとしてる、
とかいう理由は設定しておかないと
大多数の西側陣営は誤解してるだけなので
反AI思想なんかを描けるような
土俵にすら上がってないのでは…と思った。
「AIは核を落としてない」っていうのも
裏付けゼロの渡辺謙の発言でしかないので
本当なのかよく分からないし……。
なのでノマドの破壊とは別に、
西側に対してAIの誤解を解けるだけの
強い証拠を持って行って
その証拠を提示したことで
AIに対する西側の誤解が解けて
共存の道が開けるみたいな、
AI側にとっての重要な目的なんかを
絡めたりして描いて欲しかったです。
核を落としてきたAIたちが
今度は人類の最重要拠点を
完膚なきまでにぶっ壊したなんて結末、
AIの今後を考えると
最悪としか言いようがないと思うし…。
ストーリー以外は本当に好きでした！
ありがとうございました。
