ノラネコの呑んで観るシネマ

鯨の骨のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

鯨の骨(2023年製作の映画)
3.7
サラリーマンの落合モトキが、マッチングアプリで会った女子高生のあのを自宅に連れ込んだら自殺され、隠そうとした死体が忽然と消えてしまう。
主人公は、自分の姿を街に埋め込めるAR SNSアプリの中で再びあのを目撃し、彼女の痕跡を探し始める。
なるほどSNSで輝くインフルエンサーを、深海で朽ち果ててゆく鯨の骨に、ファンたちを発光しながら骨を食い尽くす、無数の生物に例えている訳ね。
虚実は徐々に境界を失いって行くが、我々はインフルエンサーに何を見ているのか、彼女らは実像なのか?という辺りはなかなか面白いと思う。
ただARと対比されるもう一つのSNSが、SNSと言うより「会いに行けるアイドル」に近かったり、なんだか対比したいことがはっきりしない。
最終的にはARからリアルに回帰するのは分かるけど、そもそもあのは何がやりたかったんだ?
肝心なところが、今ひとつ分かりづらい。