ノラネコの呑んで観るシネマ

悪魔の世代のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

悪魔の世代(2021年製作の映画)
4.3
カリコレ。
バルト三国のリトアニアで、地方の警察署長が市長選への立候補を表明。
ところがその途端に、彼の長年の友人である検事が死ぬ。
最初は自殺と思われていたが、実は凄惨な拷問殺人事件であることが分かる。
現在を舞台とした事件捜査と、30年前のソ連崩壊とリトアニア独立のエピソードが並行に語られ、少しずつ二つの時代の関係が明らかになってくる。
なかなかにウェルメイドなクライムスリラーで、真犯人の正体は全然読めなかった!
世界の裏側でうごめく者たちの話は、どことなく「マスター・キートン」を思わせる。
本作はフィクションだが、当時の事情を知る人たちに取材して作られたもので、物語の背景設定はいかにもありそうなリアリティ。
ソ連は秘密主義の塊みたいな巨大な警察国家だったから、ああして地下に潜った人たちも沢山いたのだろうな。
悪魔の時代、隣は何をする人ぞ。