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怪物の木こりのMrOwlのレビュー・感想・評価

怪物の木こり(2023年製作の映画)
3.8
予告編の怪物の木こりのビジュアルに惹かれました。更に、殺人までするサイコパス弁護士vs殺人鬼というコンセプトは、エイリアンvsプレデター、エルム街の悪夢フレディvs13日の金曜日のジェイソンのようなヒールvsヒール映画の魅力もあり、観賞してきました。本作は019年・第17回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した倉井眉介による小説が原作になっています。原作を読んでいないので、脚本と原作の比較はできないのですが、映画としては楽しめました。
主演の亀梨さんは、事故物件での松原タニシさん役の役作りが良く、印象に残っていますが、本作ではもともとのクールで鋭い眼光がサイコパス弁護士・二宮彰に合っていましたね。一方、やや童顔で可愛らしい顔つきの染谷将太さん演じる二宮の協力者で、自身もサイコパスの医師・杉谷もなかなかに怖いキャラクターでした。自分はクールでイケメンなサイコパスよりも、童顔ながら、思考と行動がサイコパスな杉谷のようなタイプが怖いです笑。怪物の木こりもそのマスクの造形が怖いですし、斧で対象の頭をかち割り、更には脳を取り出しているので、こっちも十分怖いです。怪物の木こりは何らかの理由がありターゲットを選び襲撃していますが、警察の捜査によりそれが徐々に明らかになってきます。ターゲットの中には二宮も含まれており、警察と接触することになります。二宮自身が杉谷と組んで悪さをしているため、警察に協力するよりは、距離を取ろうとします。そこに菜々緒さん演じるプロファイラーの戸城、捜査員の刑事として渋川清彦さんも絡んできます。怪物の木こりの目的が徐々に明らかになってきた時に、二宮彰の身にも変化が起きてきます。サイコパスvs怪物の木こりはどちらが勝つのか、という要素と、連続猟奇殺人の目的は何なのか?や犯人は誰なのか?を追う捜査、推理ものの要素があるので、単調な感じがなく引き込まれると思います。そして謎が明らかになった時に現れる「哀しい怪物」。「哀しいミステリー」という表現がピッタリくる作品かなと思います。
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