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怪物の木こりのKoichiのレビュー・感想・評価

怪物の木こり(2023年製作の映画)
3.0
殺人をも厭わない弁護士が「怪物の木こり」の姿をした連続殺人鬼に狙われるサイコ・ホラー。

アクション、サスペンス、スリラーと様々な要素を持ち合わせたハイブリッドな作品と言ってもいいだろう。

🔸PG12指定の作品
今回の作品は年齢制限が低いため、残酷で過激な描写が弱いと言ってもいいだろう。“サイコパス”と“連続殺人鬼”と言うキーワードで連想すると“ハードゴア”を思い浮かべてしまうが、今回の作品は、かなり物足りない感じを受けるかもしれない。故に作品を観る前のイメージと観た後の印象では乖離を感じる方も少なくはないはずだ。

🔸ヒューマンドラマ
物語は後半に向けてドラマ的な展開となる。ネタバレになるので、あまり詳しくは書けないが、二人の人間の狂気的な想いによって主人公の二宮が歩まされてきた人生は不遇と言うには、あまりにも悲劇的に思わされる。最終的には彼に感情移入してしまうかもしれない。そして、あの結末で彼は“本当の自分の人生”を手にしたのかもしれない。わたしはそう思いたい。

🔸なぜ「怪物の木こり」
冒頭からも登場する童話「怪物の木こり」だが、連続殺人を紐解く上ではこの童話の存在は欠かす事ができない。そして、この作品を観るにあたり、この童話に注目するとまた違った視点でこの作品を観る事ができるのではないだろうか。

🔸今回の作品のターゲット
ふと考えた時、もっと過激なR指定にしなかったのは何故だろうか?ここ最近のこの手の作品はR指定を高く設定して過激な描写でコアなファンを集客していく。しかし、あえてそうしなかった理由はあの結末が関係しているのではないだろうか。そう今回の作品はスラッシャー系ホラーというジャンルではない。それだけを描いているわけではない。そう考えると納得できるようにも感じる。
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