怪物の木こり (2023年公開作品)
※視聴回数 １回
サスペンススリラーをやりたいのか、そう思わせてヒューマンドラマに移行したいのかイマイチ見えてこなかった。というよりどちらに重点を置くにしてもかなり中途半端だった。
まず「サイコパス」という言葉の多用。あまりに雑に乱用されるので今一度言葉の意味を調べてみる。
サイコパスとは「一般人と比べて著しく偏った考え方や行動を取り、対人コミュニケーションに支障をきたすパーソナリティ障害の一種」とのこと。しかしこの作品では悪いことをする奴がそのまんまサイコパスと呼ばれている。そこの違和感が拭えないままどんどん話は展開していく。
生まれながら天然のサイコパス、犯罪ではないが正義を行使するために手段を選ばない警察陣、そしてただ悪いことをしてるだけの悪い奴である主人公。そこが巧く繋げられるのかなと思いきやそんなこともなく別に掘り下げられない。
物語の結末として主人公がその状態なのであれば、まずは罪を償うことが最優先であるがそこから逃げようとしてるところを見るにまだ全然悪い人間なのでは？という感じ。
主軸として置かれる犯人探しも少ない選択肢を勝手に削られ続けるので「そりゃもうこいつしかないよね」ってとこでお披露目される。グロ表現も"悪の教典"の監督とは思えないほどマイルドで何を楽しめばいいのかはよく分からなかった。
とはいえやりたいことも分かるし伝えたいことも分かるのだがもう少しやりようあったよなと。キャスト陣の演技が良かったのもありこの評価です。
