ノラネコの呑んで観るシネマ

怪物の木こりのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

怪物の木こり(2023年製作の映画)
3.8
作品の出来不出来の激しい三池監督。
今回は割と普通。
亀梨和也のサイコパス弁護士が、怪物の仮面をつけた謎の連続殺人鬼に狙われる。
全体が劇中使われている「怪物の木こり」という絵本のトレースになっていて、話が進むにつれて全貌が見えてくる構造。
主人公の脳に埋め込まれた“ある物”を巡る過去のミステリなんかは面白いんだけど、大元のアレ作った人の動機、いくらなんでも強引過ぎじゃね。
そもそも、沢山作っても自分で研究せず手放しちゃったらダメでしょ。
なんか途中で“いい話”になりそうになって、嫌な予感がしたのだが、そっち系に行かなかったのは良かった。
あとサイコパスって言葉を、扇動的に使い過ぎじゃなかろうか。
確かに共感力に欠け、重大事件を引き起こすことが多いのは事実だが、例えばスティーブ・ジョブズもサイコパスだったといわれてるし。
全てのサイコパスを十把一絡げに犯罪者扱いしてしまうのは、差別につながる危うさを感じる。
まあコレは内容と言うより売り方の話だけど。
全体に楽しめるのだけど、あちこち矛盾や雑なディテールが多くて引っかかる。