Jun潤

怪物の木こりのJun潤のレビュー・感想・評価

怪物の木こり(2023年製作の映画)
2.1
2023.12.10

亀梨和也×吉岡里帆×染谷将太×三池崇史監督
原作未読。
予告でやたらとサイコパスだなんだと、アニメ見たばっかりなのかな?て感じですが、作中でちゃんと定義付けするなり描写張るなりしてもらえるといいんだけどねぇ……

弁護士の二宮彰は、峠道を運転中、後を尾けてくる車に気付く。
追ってくる車の前に立ち塞がり、横転させる二宮。
運転手の正体は二宮が違法に死亡診断書の作成などを依頼している病院の総務の人間だった。
二宮とグルになっている杉谷に入れてもらおうという男の要求を跳ね除け、始末する二宮。
事実が露見しそうになっていることを勘案し、杉谷に会いに行く二宮は、病院で事件を捜査中の戸城とすれ違う。
戸城が担当している事件は連続殺人事件、それも死体から脳を丸ごと抉り出しているという狂気じみたもので、杉谷が担当している精神科に訪れていたのだった。
その日の帰り道、二宮は奇妙なマスクを被った謎の人物に襲われ、頭蓋骨骨折の重傷を負う。
目を覚ました二宮は、担当医から自分の脳にチップが入れられていることを知る。
そのことを杉谷と話している二宮は、偶然出てきた映画のバナー広告から、自分を襲った人物が“怪物の木こり”であることを知る。
殺される前に殺してやろうと、二宮もまた戸城とは違う角度から事件の真相を追っていく。

これはよくない、よくない三池崇史。
JホラーとJスリラーが権益に破壊される音が聞こえる。

もう原作のことを調べたくない。
せめて原作ガン無視して作ってて欲しい。
「このミス」がコロコロ以下になっちゃう。

ミスリードっていうかリードしてないから単なるミス。
伏線っていうか伏せてないからただの余計なセリフとカメラワーク。
てなるぐらい描写も演技も画角もだいぶ陳腐に見えました。
バレバレなヒント場面を無駄に勘繰って予想していた脳の容量がほぼ無駄……

この手のサイコスリラー系、ミステリー小説を実写映画化するとなると大事なのはハラハラ感を維持させるスリルと、文章の行間をセリフでどれだけ描かないかでしょう。
そのどちらも欠いている上にビジュ頼りのタレント推しに一般ウケ狙いの安っぽい人間ドラマでもう何も言えん。

結局サイコパスって何?
国内外色んなサイコスリラー作品などを見ていて、常人には到底理解できないような独自の美学や価値観などを持っている人の総称だと思っていました。
利害も感情、欲望があるかどうかもわからない人物だからこそ、怖さと緊迫感、そして非日常的な魅力があるというもの。
それが今作は??
二宮も快楽殺人鬼というよりは多分社会的に成り上がっていくために、感情が乗ってないだけで完全に利害目的で殺人してるじゃん。
そこに脳チップとかいうパラレルトンチキ医学でサイコも何もあったもんじゃない。
どちらかというと職業倫理もハッキリしてないのに捜査のためなら手段を選ばない戸城の方がサイコでは??
あんな血液型別性格診断とか占いのバーナム効果レベルの分析で捜査されたらたまったもんじゃねえ。

てっきり舞台の伏線から映美が“怪物の木こり”でしたとか、映美にも脳チップが入れられててそれが壊れたんだとか、実は東間の娘でチップによる性格矯正が成功した上に生き延びていたんだとか思ったんですがね……
結局サイコパスよりメンヘラの方が怖いってことかね。

三池監督作品で染谷が合羽着て殺人は『悪の教典』オマージュが過ぎますって。
そこだけ+0.1で。
Jun潤

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